2014年11月22日

朴ミンギュさん8回目の命日&第12回総会

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長崎の朝鮮人被爆者であり貴重な証言者でもあった、朴ミンギュさんが11/21に亡くなって、今日で8年目となります。今年も、平和のために学び活動している「孫娘」福田美智子さんが、朴さんへの思いを書いてくれました。ぜひご一読ください。
(写真は朴ミンキュさんの一生を写真とメッセージでつづった「明るく生きなければ何も生まれない」です。資料館で発売しております。頒価千円)

また、この11月23日には資料館の第12回総会が開催されます。会員の方はぜひ御出席ください。来年は資料館設立20周年となります。ぜひ、一緒にアイディアを出し合って、素晴らしい年にいたしましょう!!

日時:2014年11月23日(日・祝)14:00〜16:00
場所:長崎教育文化会館401号室
※事前に送付しました資料を御持参ください。


朴玟奎さんの命日に寄せて

 被爆地長崎は、これまで多くの反核活動家・平和活動家を生みだしてきました。その中に、在日コリアンの活動家がいたことをご存じでしょうか。

 そもそも、朝鮮の人々が多く被爆した事実そのものが、未だあまり知られていないように思います。長崎では、約2万人のコリアンが被爆、そのうち約1万人が亡くなったと見られています。1910年から日本によって植民地にされ、戦争中は大日本帝国臣民として過酷な労働に従事させられるなかで被爆、戦後、日本国籍を失ってからは、被爆者援護行政から排除されていきました。

 戦後も続くコリアンへの差別のなかで、朝鮮人被爆者自身らが同胞の援護のために立ち上がりました。2001年の今日亡くなった朴玟奎(ぱく・みんぎゅ)さんはそうした朝鮮人被爆者運動家の一人です。朴さんは、「長崎朝鮮人被爆者協議会」を組織し、 コリアン被爆者の訪問や調査、被爆者手帳の取得などの支援、朝鮮人労働者を抱えていた三菱等の企業との交渉、修学旅行生等への被爆体験の講話など、公私の別なく奔走されました。

 在日朝鮮人被爆者として原爆の問題に取り組むということは、核兵器の廃絶を求める運動に加わることのみを意味しませんでした。つまり、差別や植民地主義、歴史の歪曲とも対峙せざるをえなかったのです。被爆者手帳の交付を求めるにも、日本人被爆者より多くの困難が伴いました。朝鮮人労働者の遺骨の返還すらしない企業に対しては、厳しい交渉に臨まざるをえませんでした。メディアでも教育現場でも、「唯一の被爆国」「原爆の犠牲者」としての日本というストーリーからこぼれおちる朝鮮人被爆者の存在は語られることが少なく、朴さんら当事者の運動なしには日本社会のなかで忘れ去られていったに違いありません。

 ここで付け加えたいのは、朴さんらが地道に続けた運動に、日本人の市民も加わっていたということです。 当館がその名前を冠している岡まさはる氏をはじめ、現在まで資料館を支えているボランティアもそうです。朴さんは、朝鮮人被爆者の当事者として、日本の社会が排除している人々とともに歩み、日本が目をつぶり続ける問題を可視化してきました。 長崎の市民は、その姿を見て心を動かされ、日本の戦争責任を考えさせられたのではないでしょうか。

 コリアンか日本人かを問わず多くの人が朴さんに惹き付けられたのは、朴さんの人柄によるところも大きかったと思われます。朴さんは本当に愛情深く、人が好きでした。たとえば、戦後の混乱期に、偶々出会った日本人の孤児や、大黒柱を亡くし困っていた被爆者家族を自宅に引き取って暮らしていたこともあったといいます。私も、朴さんの懐の深さ、底抜けの明るさに惹き付けられた一人で、お話を聞きにお宅に通ううちに朴さんの孫娘のようになりました。

 悲しいことに、今の日本では、少しでも加害の歴史に目を向けたり、政府の見解と違う考えを表明すると「反日」のレッテルを貼られることが多くなりました。では朴さんのしてきたことは「反日」でしょうか? 私は、むしろ、日本と隣国をつなぐ、日本に共に暮らすコリアンと私達を結びつける平和構築だったと思っています。(そもそも「反日」とは何なのか、都合の悪いことを全て「反日」と呼ぶ風潮は何なのか、よく考える必要がありますが。)
 私はこの資料館に10年以上関わり続け、今はアジアでの平和構築に貢献すべく平和学を学んでいますが、朴さんと過ごした日々が、私をピースビルダーへの道に導いてくれたのだと信じています。特に、歴史やアジアの隣国との関係について、冷静な対話がとても難しくなってきている今、あらためて朴さんの足跡を辿りたいと思います。


2014年11月21日 朴玟奎ハラボジの8回目の命日に

不肖の孫娘、福田美智子

以上
posted by toratanu21 at 00:00| 主なニュース・ご案内 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする